この世の中の問題は、明確に白黒(正義と悪)つけられないことが多く、無理やり線引きをすると様々な衝突(社会的なコスト)が発生し、誰もハッピーにならないよ、という話です。
昨今、日本の社会で発生している様々な問題をピックアップし、その根底にある問題の本質を、橘玲氏が深くえぐっています。
本来なら、日本人が得意であるべき「DD(どっちもどっち)」的な考え方で、落とし所を見つけるべきなのに、特に最近は「自分は正義」と主張する人が多いように感じます。
かなり痛い所を突かれて、心が痛む内容なのですが、そこはやはり問題の本質を理解しておかないと、次に進めないので頭に入れておきたい内容ばかりでした。
いつものように、気になった部分を引用させて頂きます。
- 「和解」とは、一方が正義で、もう一方が悪になることではなく、双方がDD(どっちもどっち)で手打ちすることなのです。
- ウクライナやガザの悲惨な状況が日々報じられるなかでわたしたちが問われているのは、実現するはずもない空理空論を大きな声で唱えることではなく、「人権抑圧」と「戦争(内乱)」の選択肢しかないとしたら、どちらを選ぶのかという重い問いなのです。
- 日本が単独親権なのは、夫婦が離婚したあと、子どもはどちらかの「イエ(戸籍)」に入るかを決めなくてはならないからです。(略)養育費の不払いがさしたる問題にならないのは、「イエ」の論理によって、社会がそれを許容しているからです。
- 死の自己決定権(安楽死)について語ろうとすれば、即座に「優生学」のレッテルを貼られ公的空間から排斥されてしまうのです。
- この問題(社会保障費の増大)の最大の障害は、日本社会の中核にいる団塊の世代が、自分が死ぬまで満額の年金を受給できさえすれば、そのあとのことはどうでもいいと思っていることでしょう。
↓応援クリックして頂けると励みになります。ありがとうございます。↓
↓はてなIDがなくても拍手して頂けます!コメントもOKです。↓