埼玉県で「おかしな」条例の改正が成立しそうになりましたね。
虐待禁止条例の一部を改正案が、自民党の埼玉県議団が県議会の提出し、本会議で採決寸前まで行きました。
この条例改正案では、罰則規定はないものの、保護者などに対して子どもを自宅や車に残したまま外出したり、放置したりすることを禁止、そういう子供を見つけたら通報しないといけないとしていました。
この条例改正案に対して、ネット上のみならず地上波でも反対の声が上がり、大炎上。「そんなんで生活できるか!」ってことです。
住民のクレームが殺到したようで、10日になって埼玉県議会の自民党議員団はこの改正案を撤回することを発表しました。
子供達への虐待。これを減らしたい。これは当然です。
なのに、なぜ子供を自宅に残したまま、保護者がその場合を離れることが「虐待」と捉えているのか?
そもそも問題の定義から間違えている。
う~ん、頭がクラクラするわ。
こんなレベルの低い政治家(今回は県議会議員)しかいないのか?
何でこんな意味の分からない条例改正案が提出されたのか、色々調べてみたら、多分これです。
児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)|厚生労働省
こういう法律がありました。
超簡単に要約すると、「児童への虐待はダメよ、虐待されている児童がいたら、みんなで通報するなどして助けましょうね」という法律です。
多分、埼玉県の条例も、この法律からきてますね。(うちの大阪にも似たようなのがありました。多分、全国的に広がっているのでしょう。)
児童虐待から児童を守るには、まず最優先で、児童を保護しないといけません。これは分かります。
だけど、この保護というのが結構難しいんですよ。子供が自ら家を出て助けを求めるという行為はハードルが高いのが実情です。
次に、虐待をしてしまった親(保護者)側のケア、虐待はしていないけど子育てに不安のある親(保護者)への教育などが、全く配慮されていません。
虐待をされている逃げられない子供を助け、虐待と認識していない親のケアを同時に進めないと、「虐待」問題は減らないんです。
多分、最初は理念法みたいなものだったのですが、だんだん色んな尾ひれが付いていったのでしょう。
何だか、世の中の実態を分析せずに、頭で考えて表面的な問題解決をしようとした結果に見えてきました。
あと、その法律に罰則規定がないもの、努力義務が求められているもの、そもそも実現が不可能と思われてしまう法律・条例というのも問題があります。
こういう法律は、たとえルール違反しても問題ないと捉えられてしまうので、意味がないばかりか、逆に遵法精神が削がれるだけで害悪しかありません。
「まぁ、法律違反しても捕まらないから良いわ」とみんなが思うのが一番よくないということです。
とにかく、今回の条例改正案は、成立寸前で撤回されて良かったのですが、それ以上に法律を作る政治家の能力の低さに戦慄を覚えた出来事なのでした。
今回の珍言爆言
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出来ないことは決めないことが最低限のルール
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