「言葉こそ人生」読むだけ元気お届け人の"今ここを生きる心"の裏側

「心の豊かさ、今ここを生きる」の管理人が個人的にお伝えしたいマインドセットやアイテムを紹介するブログです!

【読書】「奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵」中野剛志:著

奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵,中野剛志

現代社会に蔓延る様々な社会問題の大半は、社会科学の古典にすでに指摘されていることで、その知恵は時代が違えど役に立つことばかりという話でした。

 

我々は歴史(古典)から何も学んでいないということが分かる内容。

 

かなりショックな話ですが、特に「リーダー」の役割を担っている人は、今からでも参考にすべきだと思います。

 

この本で取り上げている社会科学の古典は以下の通り。

  1. マックス・ウェーバー「官僚制的支配の本質、諸前提および展開」
  2. エドマンド・バークフランス革命省察
  3. アレクシス・ド・トクヴィルアメリカの民主政治』
  4. カール・ポランニー『大転換』
  5. エミール・デュルケーム『自殺論』
  6. E・H・カー『危機の二十年』
  7. ニコロ・マキアヴェッリ『ディスコルシ』
  8. J・M・ケインズ雇用・利子および貨幣の一般理論

 

参考になった部分を抜粋して以下に列挙します。

  • 組織というものは、効率性と合理性を徹底的に追求すると、かえって非効率で非合理なものとなってしまうということが、往々にしてある。
  • そもそも業績評価とは、測定する業績がどういうものかがあらかじめ確立していないと、その基準を策定できません。しかし、本当のイノベーションとは、既存のものとはまったく違う新しい業績を成し遂げるでしょう。
  • 優れた研究者たちの「主観」によって判断した方が、論文数やインパクトファクターなどの数値による「客観」的な判断よりも、より正確に研究者の能力を評価できるということです。
  • ラディカルな改革が失敗する理由は、一言で言えば、「社会も人間も複雑微妙だから」ということに尽きます。
  • むしろ、正しいことを知っている優れた人物というのは、たいてい数が少ない。ところが、民主政治では、多数派の意見の方が正しいことになっています。
  • 日本社会に見られる同調圧力もまた、日本の文化的特殊性ゆえではなく、民主政治のせいである可能性が高いでしょう。日本が、アメリカの民主政治を見習うほどに、社会の同調圧力は高まり、自由が損なわれていくというわけです。
  • 中間団体が機能していれば、自由と民主政治が両立する「自由民主主義」は可能となるということです。
  • 新自由主義がはらむ最大の問題とは(略)、全体主義を呼び込んでしまうという点にあるのです。
  • 宗教や家族といった共同体との固い絆、悪く言えば「しがらみ」から解放された個人主義者は、自殺に向かいやすいということになります。

 

最近の日本の大学では、社会科学が軽視されているのかなぁ?本書で扱っているような基礎知識を持っていない「知識人」が多すぎるような気がします。

 

imakokowoikiru.hatenablog.com

↓応援クリックして頂けると励みになります。ありがとうございます。↓

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ
にほんブログ村

はてなIDがなくても拍手して頂けます!コメントもOKです。↓

web拍手 by FC2