©松本零士
「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」などを描いた漫画家、松本零士先生が永眠されました。
私はあんまり作家やクリエーターを論評はしない、というか、偉大な先生を論評するのは私自身が力不足だと思うので、そんなことは出来ないと思うタイプなのですが、松本零士先生が逝去された時のマスゴミのコメントが、あまりにもなっていなかったので、どうしても書きたくなったんです。
松本先生が「宇宙戦艦ヤマト」を描いた背景には、日本帝国陸軍のパイロットだった父親からの影響があり、「戦争はあってはならない」と教えられたから・・・云々とか、宇宙戦艦ヤマトは反戦への想いから・・・云々とか、ヤマトが達成不可能に思えたミッションを遂行する課題解決を描いたもの・・・云々とか、そういう分析(?)が散見されました。
えええ?? こういうコメントしたお前ら、本当に「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」見たの??
©松本零士
そんな感じの憤りに似た感情が沸き立ってきました
正直、私も子供の頃に松本先生のアニメや漫画を見た時は、全く理解してませんでした。
カッコいい戦艦や宇宙船、使命を受けて困難な旅を続ける乗組員への憧れ、とか純粋にSFモノとして楽しんでいました。
けど、それだけじゃ、社会現象にはならんでしょう?
©松本零士
「宇宙戦艦ヤマト」は、日本のアニメの金字塔、日本のオタク文化の発祥作品。
ここから日本のアニメやサブカルチャーが花開いたと言っても過言ではありません。
なぜ、「宇宙戦艦ヤマト」が、あんなに支持されたのか?
それは「戦艦大和」の復活だからでしょう!
もちろん、ストーリーの面白さや、キャラクターや宇宙船のデザインの素晴らしさなど、様々な要素はあります。
©松本零士
けど、その根底にあるのは、大東亜戦争で沈んだ戦艦大和を復活させて、今度は、地球と人類の存亡をかけて命をかけて戦うって所に感動したはず。(それは言葉に出さないとしても)
そこには、単純な「反戦平和」論理ではなく、大東亜戦争に負けた日本の挫折、もっと言えば、負けたまま根性に止まっている日本人の心の挫折を描いているのです。
ある日突然、ガミラス星人という宇宙人が地球に攻めてきたら? 地球に攻撃をして人類が住めない星になっていくのであれば? 我々は立ち向かうのではないか?
もちろん平和的な交渉で解決できれば、それに越したことはないが、相手が一方的に攻めてくるのであれば、人類の総力を上げて生き延びる道を模索するのではないだろうか?
達成する可能性が低いかも知れないが、選りすぐりの戦士を宇宙戦艦ヤマトに送り込むのではないか?
そして誰もがヤマトの帰還を願い、彼らを送り出すのではないだろうか?
その作戦が成功しようが、失敗しようが、我々人類は受け入れるのではないだろうか?
アニメでは、ヤマトは無事に地球に帰還し、地球を救い、続編ではガミラス星人も人間ということで相互理解をするようになる。
「銀河鉄道999」では、機械化人間が生身の人間の生命エネルギーを食糧とし、部品の材料として、「永遠の命」を与えると喧伝し人類を収容していく。
これも戦後、何も考えなくなった日本人の末路を描いているように思います。
今の日本人は、機械化人間のように何も考えられなくなってはいないだろうか?
つまり、戦争に負けた事が悪いのではなくて、負けたままの精神で、何も考えなくなってしまうことが、本当の敗北だということ。
その想いを作品に込めたからこそ、オタク第一世代は感動し発憤したんです。
「このままじゃ、いかんよ」って。
これくらい言って欲しいわなぁ、マスゴミでコメントをする人も・・・。
キャプテン・ハーロックの有名な台詞を引用します。
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男には死ぬとわかっていてもいかなければならない時がある。
負けるとわかっていても戦わなければならない時がある。
©松本零士
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戦争で問題を解決しようするのは愚の骨頂だ。だけど、戦わないといけない時は立ち上がれ!
それが先人に対する尊敬であり、子孫に対して態度で示すことだ。
だからこそ、命を粗末に扱ってはいけない!
ってことですよね? 松本零士先生!
謹んで、松本零士先生への哀悼の意を表したいと思います。
今回の珍言爆言
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戦いに負けることと、負けたままでいることは違う
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