時代は日露戦争の頃、洋画家である主人公が山中の温泉宿に宿泊し、そこで出会った美女「那美」と知り合い「自分の画を描いて欲しい」と頼まれるが、何か物足りない所があり描かなかった(描けなかった)。
那美の従兄弟が戦地へ招集され駅まで見送った時、彼女が見せた表情に、主人公は「それだ、それだ、それが出れば画になりますよ」と告げるのだった。
というのが、「草枕」の大まかなストーリーです。
というか、前半の大部分は主人公の七面倒な内面が難解な表現で描かれています。
まさに冒頭に出てくる有名なフレーズの通り。
智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに、人の世は住みにくい。
どうも世の中が住みにくいというよりも、急激な西洋化で日本の心象風景が激変していた時代についていけなかったのでは、という印象です。
最後のシーンで、急に全てがつながる感じ(説明が難しい)が、気持ち良かった。さすがは天才文豪漱石がなせる技ですね。
「夢十夜」は夢を不思議な描写で表現した短編集でした。
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