あなたは、何かを一度「自分のモノ」にすると、それに特別な愛着を覚えてしまうことはありませんか? 使えるモノを長く大事に使うことは、大切なことです。
しかし、モノを所有すると手放したくなくなる心理というのがあることを理解しておかないと、こと投資やビジネスをする上で、機会を損失することがあります。
現在所有しているものや環境に、それを所有していない時よりも価値を感じる傾向がある心的傾向を「保有効果」と言います。
「保有効果」とは例えばこんな状態のことです。
- 友人の持ち物(携帯電話や服など)と比べて自分のものは品質もセンスもいいと思ったことがある。
- 「試用期間中に返却すれば買わなくてもいい」という商品を手に入れたが、期間中に返品せずにそのまま持ち続けたことがある。
- 他人が持っているときはそれほど気にならなかったのに、いざ自分が持ってみると急に良いものに思えてしまったことがある。
- 他人から見たら、捨ててしまえばいいのにと思われるようなモノでも、気に入っていて捨てることができないモノが部屋に溢れている。
このような経験をしたことは、ありませんか?
自分が「所有」しているという感覚を持つと、自分の思い入れが出てきて、そのモノにより「価値がある」と思ってしまうのですね。
特に自宅など長年住んでいた不動産などは、その傾向が如実に出る代表なのかも知れません。
自分が子供の時から住んでいた家は、他人から見ると資産的価値が少なくても、自分では価値があると思えてしまい、手放すことがなかなか出来なくなります。
不動産投資家の目線で見れば、改めて購入しないような物件であっても、住み慣れた自宅であれば、なかなか手放す気になれず、結果的に売るタイミングを逃してしまう場合があります。
これは「保有効果」の影響を受けている面が少なからずあります。
それでは、このような「保有効果」の影響を軽減させるには、どうしたら良いのでしょうか?
その対策の一つは、「今、このモノを持っていない」と考えてみることです。
例えば、実際には自宅を持っていたとしても 「自分は持っていない。賃貸で住んでいる。」 と仮定してみましょう。
そしてその時々に「今、この家を買いたいか?」を自問してみるのです。
その答えが「ノー」であるのなら、その家は早めに売ったほうが良いでしょう。
自分が買いたいとは思わないもの保有し続けているのは矛盾していて、心にバイアスがかかっている証拠です。
さらには、ポートフォリオ(※ポートフォリオ:投資家が所有している 各種の金融資産の組み合わせのこと)というのは、注意を払ってメンテナンスをしていないと、時間と共に劣化するのが常です。
自分が持っている資産内容は、日に日に悪化していくということです。
ポートフォリオを確認する場合は、所有している資産の内容を定期的に「今、持っていない」と仮定してみて、さらに「今、買いたいか?」と考えてみることが、有効な視点の切り替え方法となります。
このような心理的なバイアスがあることを 正しく理解して、自分の資産内容や所有しているモノの見直しの改善をしてみましょう。
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