あなたは以前から欲しかった10万円の時計を、日々少ない小遣いを削って節約し、やっとの思いで手に入れました。
ところが、その日家に帰ると、あなたの親が全く同じ時計をプレゼントのために
買ったと連絡がありました。
話を聞くと、あなたが買った店と違う店でセール品として6万円で売っていたらしく、あなたがその時計を 欲しいということを知っていたので、 思わず買ってくれたそうです。
あなたは、同じ時計を2個持っていても仕方がないと思い、そのうちの1個をネットオークションで売ることにしました。
あなたなら、どちらの時計を売りますか?
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A:親からもらった6万円の時計
B:自分で買った10万円の時計
C:どっちでも同じ
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気持ちの上では、せっかくご両親が買ってくれたものだからとっておきたい。
と思った方もいるんじゃないでしょうか?
しかし経済的な観点から見れば、親からもらった時計も、自分で買った時計も、価値は同じなので「どっちでも同じ」(選択肢C)ですよね。
ここで考えておきたいのは、苦労して自分で買った時計の方を手放すのは「もったいない」と感じて、残しておこうと思われた場合です。
これは、時計を買うために費やした費用や時間、苦労という精神的負担が気になって、手放したくないと感じたからではないでしょうか。
人間は、自分で認識しているよりも、お金を失うことに対して敏感だと言われています。
特に、自分が使った費用については、例えそれが取り戻せない費用であっても、「損失」と捉えることができなくなる傾向にあります。
このことは、経済学では「サンクコスト(埋没原価)」と呼ばれるもので、「支出した費用のうち回収不能な費用」を意味しています。
そして、このサンクコストが心理的に作用し、様々な判断に影響を与えることが知られています。
過去に行った投資が間違っていたことに気づいたとしても、心理的にその投資にこだわってしまうのです。
「損切り」がなかなかできないというのも、この心理と大きく関係しています。
すでに使ってしまったお金については、固執せずに、可能な限り将来のコストと利益に注目し、気持ちをリセットした方が良いのではないか?と考えてみることも、事業や投資をする上では、大変重要な考え方です。
あなたの心の中にも、もしかするとこういったサンクコストの影響があるかもしれません。
適切な判断ができているか、視点を変えて改めてチェックすることも必要ですね。
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