ビートルズが1969年1月に行った「ゲット・バック・セッション」の模様を記録した60時間に及ぶフィルムと150時間もの音声テープから編集された長編ドキュメンタリー映画。
映画「Let It Be」では公開されていない舞台裏が見れる貴重な映像の数々でした。
映画「Let It Be」で見られたポールとジョージの口論した場面、メンバー同士の険悪な雰囲気は、逆にかなり抑えられている感じでした。
映像と音源の修復技術は、本当に素晴らしい。まるで昨日撮影したのかと思えるくらいの臨場感。テクノロジーの進歩に感動です。
それで、「ゲット・バック・セッション」の内容は??
一言で言えば、「カオス」そのもの。
ポールが、ライブにこだわって、他のメンバーが反対していた、という「伝説」は違いましたね。
全員でギリギリまで、本当に屋上でライブをするのか悩んでいました。(そのあと、ライブを決行すると決めたからには最高のパフォーマンスをするのが、プロなんですけどね。)
むしろ、ポールが最初から最後まで、アイデアが明確にならない、どうすれば「ビートルズらしくなるのか」にこだわって、ずっと悩んでいた感じです。
期せずして、屋上ライブに警官が乱入して、「ビートルズらしい」伝説的なエンディングを迎えるのですが・・・。
ジョージについては、バンドにかなり協力的でした。アイデアやアレンジを色々提案したりして・・・。ただライブ・パフォーマンスには最後まで否定的でした。
ジョンは、人前では攻撃的で皮肉っぽく喋るのですが、メンバー同士、本音で喋る時はかなりまとも。メンバー間の愛があった。
ヨーコは、基本ジョンの横に座っているだけ。たまに叫び声でお遊びのジャム・セッションに参加するけど。
しかし、その「座っているだけ」の存在が、他のメンバーにとっては、無言の圧力だったのだと思います。
そして、一番知りたかった「Get Back」のギターソロは何故ジョンが担当なのか?問題について。このドキュメンタリーを見ても、正解は分かりませんでした。
「Get Back」をどういう曲に仕上げていくのか?そのアレンジ過程で、自然とジョンのギターソロが選ばれたように思います。
最初期のアレンジ段階で、ジョージはワウ系のギターで曲が固まるのを待っていながら適当に弾いていた。
途中からビートに合わせてカッティング奏法で弾いた時に、ポールが「そうじゃないよ」と指摘し、思い悩んだようにしてバンドを離脱。
その後ジョージがセッションに復帰、ビリー・プレストンが参加する頃、「Get Back」のドラムが8ビートからマーチング・ビートを基本にしたものに変化し、ジョージのカッティングが固定されると同時に、ジョンのソロも固定化された。
さて、これが正解かどうか分かりませんが、もし意見があればコメントください。
8時間ほどのドキュメンタリーでしたが、まだ未発表の部分がやっぱり気になりますよね。
それでも一言で言えば、「カオス」なビートルズの素顔が見れるマニアには最高のドキュメンタリーでした。
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