自殺を試みたが失敗し生き延びた羽仁男は、「命売ります」と新聞広告に出し、そこに来る依頼に身を委ねることにした。
次々と舞い込む依頼を難なくこなす羽仁男は、やがてとある組織に睨まれることになり・・・というストーリー。
三島由紀夫の考える命の軽さ・重さを、主人公羽仁男の生き方(死に方)から問うた作品です。
あれだけ死ぬことは怖くないと豪語していた羽仁男が、囚われて殺される直前になってその場から逃げようと試みる、そこの生の衝動を見出した三島の皮肉が滑稽に伝わってきました。
「死ぬ、死ぬ」と言いながら、一番生に執着していたのは主人公の羽仁男じゃないか!
命を粗末にすればするほど、生きていることのありがたみに気づかされるってパターンの話ですね。
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