私が普段住んでいる中国でも、日本製の製品は良い品質のものが多く人気があります。
しかし、日本製の赤ちゃん用の粉ミルクは売られてないんです。
「なぜなの?」と、中国人の友人何人かに聞いてみたのですが、一同に「放射能汚染が怖いから」との答えでした。
現在、中国政府は、口蹄疫の影響などにより、日本から牛乳・乳製品輸入を停止していますが、加熱処理されている牛乳・乳製品はOKだそうです。
2011年12月に日本の食品大手・明治の製品から微量のセシウムを検出したことがあり、この事が今でも尾を引いていると思われます。(当時、商品は全部回収されたそうですが・・・・。)
しかし、中国の一般の人に、このことを説明して「いやいや、ミルクは放射能汚染はされてませんよ。」と正当な理由をいくら説明しても聞き入れてもらえません。
おそらく、ガイガーカウンター(放射線測定器)を持ってきて、目の前で放射線が無いことを証明しても、日本製のミルクは買わないと思うんです。
これほど、一度ついたイメージを払拭するのは難しい。
我々日本人は、もう放射能に汚染されていないと知っていても、海外から見れば、誤解され続けているということです。
このことを、新型コロナウィルス(武漢肺炎)に対しての日本政府の対応を見ていて思い出しました。
新型コロナウィルスの感染が広まり始めたら、多くの国はすぐに中国からの渡航(人の流入)に制限をかけました。
日本の場合は、いまだに武漢のある湖北省と浙江省から来た人に制限はしていますが、その他の中国からの渡航者については制限していません。(今頃になって、政府は、全国の学校の臨時休校を「要請」しました。しかも「要請」であり、「命令」ではありません。)
「それだったら、インフルエンザはどうなんだ?」とか「インバウンドの観光業はどうなるんだ?」とか「中国に住んでいる日本人は救出できるのか?」とか色々ややこしいことがあったのでしょうね。
結果的、日本は韓国やイタリア、イランに続く、新型コロナウィルス(武漢肺炎)の感染者が多い国になってしまいました。
「学校を休校にしている」とか「大きなイベントは開催を自粛している」とか「パンデミックになったクルーズ船の管理が不十分だった(ように見える)」と言ったところで、もう遅い。
海外からのイメージは、「日本はウィルスに汚染されている」となってしまっています。
今回の新型コロナウィルス(武漢肺炎)の正体が、まだはっきりと分かっていない(らしい)のですが、SARSやMARSウィルスよりは致死率は低いだろう、という事はおおよそ分かってきています。
そして、もう日本で感染者が出てから1ヶ月以上経っていますので、どれくらいの伝播力があるのか等は、専門家は分かっていると勘繰っていますが、マスコミでは危険を煽るばかりで、正確な情報は伝わってきません。
むしろ、我々一般の人々が、パニックも起こさず冷静なのは、民度の高さもありますが、情報統制されていない社会なので、SNSなどの横の情報が伝わってくるからでしょう。
その中で世界的に広まっている「日本が汚染されている」「こんな状況でも中国からの観光客を受け入れている」というイメージの払拭には、かなりの時間と労力が必要になると思います。
つまり、感染の発生初期での「中国からの渡航者を入れない」という決断は、「経済合理性」という視点では(ある意味)正しくないのかも知れませんが、政治(パフォーマンス)的な処置としては有効だったはずです。
あくまで政治的パフォーマンスになってしまうのかも知れませんが、最初に中国本土からの人の移動を止めていれば、「毅然とした態度を取った」というイメージが残る。
よくわからない未知の問題が起きたら、まずは止める。
そして、時間稼ぎをしながら、対応策を実施していく。
その上で、海外に対して「うちは十分にやってるぞ!」とアピールしまくることが大事なのかと思います。
今回の珍言爆言
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未知の問題が発生したら、まず最初に大元を止めること。
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