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これ安くない?情報が心に残り人の思考に歪みをかける (アンカリング効果)

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「通常価格69,800円の商品が30,000円引の特別価格 39,800円のところ、本日ご購入していただけるお客様だけに、さらに20,000円割引の19,800円でご提供します。」

 

こんな広告文をテレビや新聞などで見かけたことはありませんか?

 

実は、このような広告文には、「アンカリング」という心理作用を利用して、「お得感」を演出している所があるのです。

 

今回は、その「アンカリング(英: Anchoring)」と呼ばれる心理学の現象について解説してみます。

 

この専門用語の「アンカリング」という言葉の由来は、船の錨(アンカー)から来ています。

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海上に浮かぶ船は、錨を下ろすことによって潮流に流されることがなくなり、一定の範囲で固定されます。

 

この現象と似せて、1つの情報にとらわれる(錨をおろす)ことによって、物の考え方や判断が限定されてしまうことを「アンカリング(効果)」と言います。

 

例えば、自動車運転中に、前の車と接触してしまったとしましょう。

 

見た目が少し恐いお兄さんが前の車から降りてきて、開口一番「この車は日本に5台しかない車だぞ!弁償代として500万円払え!」と言ってきました。

 

まず、最初に高めの示談金をふっかけてきたのです。

 

そしてその後に同情したふりをして、「100万円にしてやる」と言って、相手をほっとさせ、その金額の示談金を払わせようという魂胆です。

 

もちろん、こんな手にうっかり乗らずに、すぐに警察に電話をして、適切な処理をしましょう。

 

これは、この強面のお兄さんが相手に対して、アンカリングをしているわけですね。

 

日本に5台しかない車の本当の価値、本当に5台しかないかの真偽、その車の修理費、交渉相手とのやりとりにかかる心理的負担などを、科学的に調べるという作業が非常に大変なため、簡便法として、わざとアンカリングさせるための情報を提供しているのです。

 

簡便法自体は、間違いというわけでは無いのですが、あくまで簡便法ですから、判断が大きくズレる可能性があります。

 

つまり、「アンカリング」というのは、入手できる情報が曖昧な場合によく用いられるものなのです。

 

そして、最初に錨がどこに下ろされているか(アンカリングされるか)によって、その後の調整幅が限定されてしまい、間違った判断をしてしまう危険性があります。

 

アンカリングされた状況に陥ったと気づいた時は、一度下ろした錨を引き上げて、もう一度正しい位置に錨を下ろし直す必要があります。

 

それでは、次の事例を考えてみてください。

 

あなたはヨーロッパ南部の地中海が綺麗な国に観光旅行に出かけています。

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ある街でアンティーク店に立ち寄り、古いけど美しいデザインの陶器を手にしていると、店員がやってきて、「1つ20万円でどうですか?」と話しかけてきました。

 

幾ら何でも「この値段は高いなぁ」と思ったので、「これは高すぎる」と言うと、そこから値切り交渉が始まりました。

 

何度か交渉を重ね、値段は結果的に4分の1の5万円まで下がったので購入を決めました。

 

その上、この店員さんが丁寧に梱包までしてくれて、あなたは大満足でした。

 

その次の日、ホテルの近くの露店でアンティーク店があったので、昨日買った陶器を見せると、「これなら、5000円で売ってるいるよ!」と、全く同じ陶器を見せてくれました。

 

さて、この事例の問題点は、どこにあるのでしょうか?

 

この問題のポイントは、店の店員が「先に値段(20万円)を提示した」ことです。

 

そして、この金額が交渉の出発点になったことで、 最初に提示された金額の4分の1(5万円)まで値が下がったので、心理的に「(もともとが法外な価格であったとしても)安くなった」と思ってしまったのです。

 

つまり、このような交渉の場合、どちらが先に口火を切るかが重要なポイントであり、先手を取った方が有利になります。

 

このような「アンカリング」の手法は、冒頭で紹介したような商品の広告でも、頻繁に使われています。

 

「通常価格69,800円の商品が30,000円引の特別価格 39,800円のところ、本日ご購入していただけるお客様だけに、さらに20,000円割引の19,800円でご提供します。」

 

この広告文の「通常価格」「特別価格」「本日限定価格」については、商品を販売する側が一方的に提供する情報であることに気をつけないといけません。

 

実際に、赤字覚悟で集客のために安売りをしているのか、もともと28,900円でも十分利益が取れる商品なのか、購入する側からは、なかなか判断できないものです。

 

これらの事例からもわかるように、我々は自分が思っている以上に、様々な情報が「アンカリング」されているかも知れないことを覚えておかないといけません。

 

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